ヤマシタトモコ『さんかく窓の外側は夜』5巻

さんかく窓の外側は夜 5 (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 5 (クロフネコミックス)

わたしはたとえ好きな作家でもBLを読むことは基本的にできないのだが(実際ヤマシタトモコのガチなBLは読んでないし、志村貴子のBLも無理だ)、これは一応BLという括りにはなるのだろうが、BLらしさは少ない。自分の霊的な存在を触られてビクッとなる感覚と性的快感を意図的に混同して描写しているところは前々から巧いなーと思っていたが、最近はその描写も慣れてきたというか控えめになってきたというか。

5巻のラストでは、宗教団体に利用されるがまま霊能力を使ってきた女子高生が、(誰かの裏切りによって?)自分が思ったよりも危険な立場に置かれていることを自覚し、しかもそれに対して「裏切り者を見つけて復讐しよう」というモードになっていたところが非常に興味深い。6巻では、物語がけっこう動くかも。