山本崇一朗『それでも歩は寄せてくる』2巻

それでも歩は寄せてくる(2) (KCデラックス)

それでも歩は寄せてくる(2) (KCデラックス)

個人的には、作者の出世作『からかい上手の高木さん』のセルフパロディみたいなイメージ。『高木さん』は女が男をからかう(正確には男が女をからかおうとして失敗し、逆にからかわれるという流れを含む)構図で、本作は男が女をからかうという、男女逆転版なんだよね。で、『高木さん』の女は色々と全部見通してからかうわけだけど、それをそのまま男女逆転に置き換えてもマンネリ化するから、キャラ設定をいじって、本作では男の一途さ・朴訥さが結果的に女をドギマギさせてからかう形になる、とそういう基本骨格。

相変わらず面白くてわたしは肯定的に捉えているんだが、最近よく思うのは、山本崇一朗の作品は何故ここまで一瞬で読み終わるのか、ということである。内容がワンパターンだから? 大ゴマが多い? 文字が少ない? んー、確かに文字は少ない気がする。