原泰久『キングダム』69巻

春秋戦国時代の七大列強の争いを描いた大河漫画。

主人公は秦の始皇帝の部下なのだが、本当に凄い漫画だ。69巻まで続いてなお激アツで、しかもダレない。

69巻は、桓騎編(本当は趙北部攻略編と呼ぶらしいのだが、ここは敢えて桓騎編と呼びたい)のクライマックスだ。

ネタバレは避けたいが、とはいえ史実でもある。史実なので変えることはできないが――これめちゃくちゃアガったし、胸が締めつけられた。こんな時いつも思う。いわゆる「傑作」に出会って「感動した」とき、その傑作ぶりや心の情動を適切に表現することができず、ただ、そうとしか書けないのである。多くの場合、その感動は書けば書くほど薄っぺらくなるし、そもそも感動を言語化して筋道立てて他人に伝わるように書くことが難しい。

なんかもう一回、キングダムを頭から読み返したくなってきたな。ただでさえキングダムは描き込みが多いから、69巻分も読み返すとなったらめちゃくちゃ時間がかかってしまうのだが。