色々あって死のうとしていた人たちが(1名ちょっと違うが)戦前から残っていたスーパー高純度の覚醒剤を発見し、どうせ死ぬぐらいならこれを売りさばいてやろうと一念発起する漫画。しかしこれは「成り上がる」といった爽快感のある展開ではない。極道でも今どき覚醒剤を扱うのは禁止されるケースもあると聞く。人をトコトン駄目にするものだからやりたがらない人も多く、警察のマークも厳しい。つまり任侠的な観点でもビジネス的な観点でも、そう簡単なものではない。極道や半グレ、海外マフィア、中華勢力なとのしのぎもかなり厳しいだろう。カネを得るためにはトコトンまで堕ちなければならない――タイトルにある「ゴールデンドロップ」である。
本作はとにかく拷問や暴力の描写が痛そうで、これは連載作品の中でも屈指であろう。山本英夫の『殺し屋1(イチ)』に匹敵するんじゃないだろうか。
ヒリヒリする。続きが楽しみ。