東浩紀+大澤真幸+北田暁大+鈴木謙介+宮台真司『波状言論S改 社会学・メタゲーム・自由』

波状言論S改―社会学・メタゲーム・自由

波状言論S改―社会学・メタゲーム・自由

哲学者・批評家の東浩紀&宮台真司の弟子である若手社会学者の鈴木謙介をホストに、日本を代表する社会学者を迎えて行った対談集。第1章は、言わずもがなの宮台真司がゲスト。第2章は、理論系社会学者の雄である大澤真幸がゲスト。第3章は、「2ちゃんねる」に言及した『嗤う日本のナショナリズム』で最近かなり注目され始めている北田暁大がゲスト。
どれも興味深かったが、第1章(東浩紀&宮台真司&鈴木謙介)の対談は、会話が若干噛み合っていないことも含めて、議論のクオリティとは別種の興味深さがあった。俺はあまり宮台真司の活動を熱心に追いかけていないのだが、本書を読む限り、近年の宮台真司は明らかに「転向」している。「あえて」だの「モード」だのといった留保付きで盛んに右傾化のポーズを取っているが、対談を読んでも「右傾化ポーズ」の意図がイマイチわからないし、その効果はもっとわからない。一体どこに向かおうとしているのだろう?