島田克美+黄孝春+田中彰『総合商社 商権の構造変化と21世紀戦略』

本書が出版されたのは2003年。冒頭から日商岩井トーメンニチメンといった会社名が登場し、やや古さを感じたため、読み飛ばし気味に読了。まあ会社名程度ならどうでも良いのだが、より本質的には、著者が「総合商社はまさに変革の中にある」と本書執筆時に書いているように、2000年代半ばの前と後では、総合商社の置かれた状況は全く異なるというのが俺の認識である。商社各社は負の遺産の整理を2005年前後に完了させ、伝統的な口銭マージンビジネスから、投資ビジネスを中心とした総合事業会社へと大きく進化している。本書はあくまでも、その「スイッチ」が入っていない時期に書かれたものである。