小出もと貴『アイリウム』

アイリウム (モーニングコミックス)

アイリウム (モーニングコミックス)

どこかのサイトで紹介されていた、アイリウムという架空の薬をモチーフとしたSF漫画。

アイリウムは1錠飲めば、1日分(24時間分)の記憶を飛ばすことができるドラッグである。といっても既に記憶したことを忘れることはできない。飛ばせる記憶は過去の24時間ではなく、(体感的には)未来の24時間である。どうしても経験したくないことがあるとき、あらかじめ飲んでおけば、24時間の間はシラフの自分がきちんと生活を送るのだが、24時間後、過去24時間の出来事をすっぱりと忘れてしまうことができる。何か辛いことがあって酒やドラッグに逃避するよりも自分の心へのダメージが少ない(だって忘れるから)こと、仮に記憶が消失してもシラフの自分が対応しているのだからそう変なことは起こっていない可能性が高いこと等から、実生活への影響が少なく、アイリウムを飲む人はだんだん増えて行っている……そんな設定。

当初は1話で終わりなのかなと思ったが、第2話以降もアイリウムをモチーフに様々なストーリーが連作方式で展開されており、読み応えがある。オススメ。