野村亮馬『インコンニウスの城塞』

インコンニウスの城砦 (馬頭電書)

インコンニウスの城砦 (馬頭電書)

ファンタジー漫画。

北半球と南半球に分かれて戦争をしている本作は、サイバーパンクな世界観でありながら魔法のようなファンタジー要素もあり、もう「何でもあり」で描き込み量も半端ない。しかもお互いに戦争をしているという世界観なのでどうにもシリアスな世界観であるし、サイバーパンクと言っても「勃興感」よりは「終末感」の方が漂い、どうも先行きはどん詰まりだなという陰鬱な世界観である。しかし読み手からとすると、圧倒される感じも嫌らしい感じもなく、ただただ物語に没頭できる。

なお、わたしは妙に同人誌チックな感じを覚えたのだが、やはり本作は同人の商業出版だった。何だろうね、この「同人誌っぽい」「商業誌っぽくない」という感覚って。