山田胡瓜『AIの遺電子』7巻

AIの遺電子 7 (少年チャンピオン・コミックス)

AIの遺電子 7 (少年チャンピオン・コミックス)

ヒューマノイドが実用化され人間と同じように生きる近未来における、人工知能の専門医を主人公としたSF医療オムニバス物語。本作においては、人間、人間と同じような心と権利を有して生きているヒューマノイド、人間やヒューマノイドに仕えるロボット、ヒューマノイドやロボットを生み出した超高度AI、という4つの知的存在がいる、という前提で、一話完結式の物語が大量生産されている。

この人は本当に凄い。何が凄いか? 一話完結であるというところである。ネタ切れにならないんだろうか。一話完結を止めて、せめて数話完結のストーリーにするだけで、物語に奥行きも出るし、ネタを考えるのも楽になるしで、作者にとっても読者にとっても良いことばかりのような気がするのだが。これは作者の意地なのか、挑戦なのか、はたまた本当にネタが湯水のごとく溢れ出て一話完結の方が作りやすいのか。誰かが一度インタビューしてみてほしい。

水口尚樹『早乙女選手、ひたかくす』3巻

早乙女選手、ひたかくす(3) (ビッグコミックス)

早乙女選手、ひたかくす(3) (ビッグコミックス)

背が高くて男らしい女性と、強さに憧れるが現状あまり強くない(しかし優しい)男が、お互いに惹かれ合って付き合うという構図。

この手の設定はよくあるというか、考えやすいのだが、まあ萌えの要素を取り入れたり、キャラクターの現代的な設定によって、ほのぼのニヤニヤ楽しめる漫画になっている。

九井諒子『ダンジョン飯』5巻

ダンジョン飯 5巻 (HARTA COMIX)

ダンジョン飯 5巻 (HARTA COMIX)

ダンジョンで殺したモンスターを食べながら冒険をする、というアイデア勝負の料理漫画から、完全に第二段階へと漫画としてのステージが上がった。色々なキャラクターが登場し、思惑なんかも色々と出てきて、さあこれからどうなるか。意外にアイデア勝負だけのシンプルな構成のほうが面白かったということも十分ありうるわけで、漫画家としてはこれから「チャレンジ」だろうなあ。

個人的には、今の感じも面白いと思う。

安田剛助『キラキラガールズ』全3巻

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

KILLER☆KILLER GIRLS キラキラガールズ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

同じ作者の『じけんじゃけん!』がツボ過ぎて、過去作を購入。

こちらはまあ、習作だねえ。それなりに面白いんだけど、しっちゃかめっちゃか過ぎる。

安田剛助『じけんじゃけん!』1〜2巻

じけんじゃけん! 1 (ヤングアニマルコミックス)

じけんじゃけん! 1 (ヤングアニマルコミックス)

じけんじゃけん! 2 (ヤングアニマルコミックス)

じけんじゃけん! 2 (ヤングアニマルコミックス)

ミステリマニアな先輩(♀)と、先輩が好きなのでミステリ研究部に入った主人公(♂)、主人公が好きなのでミステリ研究部に入った女の子(♀)、先輩が人間的に好きで日本にまで来てミステリが好きなふりをしている女の子(♀)と、結局ミステリ好きなのは先輩だけなのだが、先輩は他の皆もミステリ好きもしくはミステリ好きの才能があると思って、それなりに上手く回っている幸せな世界。広島弁に癒されるライトなミステリ漫画である。正直かなりツボ。

つくしあきひと『メイドインアビス』6巻

メイドインアビス(6) (バンブーコミックス)

メイドインアビス(6) (バンブーコミックス)

隅々まで探索されつくした世界に唯一残された秘境の大穴・アビスへと挑む冒険ファンタジー……というとワンピースみたいな男のロマンみたいなのを連想するが、本作は全く違う。アビスは横穴ではなく縦穴で、深層に潜ると(なんだかんだの本作の独自設定で)戻ることが極めて困難になる。というか主人公たちは生きて地上に帰ることができるラインを既に超えてしまい、生き残るだけでも厳しい環境の中、もはや進み続けるしかなくなっている。そしてさらに戻ることが困難になるという矛盾。しかし主人公の少女は、深層にいると言われる母親に会いたいという一心で、シリアスにならず前向きに冒険をしている。

それが異様である。

可愛い絵柄と相まって実に異様だ。

といっても可愛いのは主人公たちの原則的な造形だけで、世界はグロテスクそのものだ。また主人公たちに接触してきた登場人物(?)の多くは既に人間としての姿を保つことすらできない怪物に成り果てており、そのまま「成れ果て」と呼ばれている。そして主人公の3人(?)の仲間も、(可愛らしい姿をしているものの)ロボットと、成れ果て(ただし人間に近い格好で思考や言語も問題ない)、そしてかつての同志が飼っていたペット(詳細不明)である。

本作もいよいよ何とも言えない複雑怪奇な世界に突入し、さあどうなる、という感じ。最近アニメ化されたようだが、わたしとしては「よくアニメ化したなー」という感想である。今のところハッピーエンドを迎える感覚は皆無なのだが。

ジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール』6巻

ダンス・ダンス・ダンスール(6) (ビッグコミックス)

ダンス・ダンス・ダンスール(6) (ビッグコミックス)

ジョージ朝倉がダンス漫画を描くかーと思ったものだが、いざ読むとしっかり面白い。というか合っている。ダンスは情念のスポーツだな。一旦道が別れたヒロインやライバルとも、また近々関わり合っていくような予感。

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』1〜4巻

実家にいたくなくて、10年間会っていない親戚の家に居候して高校に通うことになった主人公。その居候先は古いお寺で、かわいい年上の姉さんがいて、猫と婆さんがいて……という設定の漫画。スムーズに友達も作れて、なかなか楽しい3年間になりそうな予感ですな。今のところ作者のフェティシズムも全開でなかなか楽しい。

オダトモヒト『古見さんは、コミュ症です。』1巻

古見さんは、コミュ症です。(1) (少年サンデーコミックス)

古見さんは、コミュ症です。(1) (少年サンデーコミックス)

周囲からはむしろ高嶺の花ぐらいに思われているのだが、本人は人見知りの激しいコミュ症な美少女が主人公。

典型的なシチュエーションコメディーだが、なかなか面白い。

筒井大志『ぼくたちは勉強ができない』1〜2巻

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ぼくたちは勉強ができない 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ぼくたちは勉強ができない 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)

一点突破型の天才(理数系はできるが文系が駄目、体育はできるが……など)に対して苦手科目の勉強を教えることになった、ごく普通の男子高校生が主人公。

で、勉強を教える相手は美少女たち。

ハーレム漫画です、はい。

まあ今のところは面白いのではないかな。

石田スイ『東京喰種トーキョーグール:re』11〜12巻

東京喰種トーキョーグール:re 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 12 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 12 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

まさか主人公ちゃんとヒロインちゃんのセックスシーンが出てくるとは。

実は本作は、最新の単行本から、次の単行本が発売されるまでの期間、バックナンバーをWebに公開してくれているという超絶神対応の作品である。つまり現在12巻で132話までコミックスに収録されているが、133話以降も、雑誌(ヤンジャン)の発売後の1週間後からWebにアップしてくれるのである。そのことで、12巻までコミックスを買った方が、スムーズに雑誌に移行できるようになっている。
http://youngjump.jp/tokyoghoul/re/trial/

で、本題に戻ると、コンビニで雑誌(ヤングジャンプ)を立ち読みしてセックスシーンに仰天し、立ち読みの1週間後に上記のWebを試しにチェックしたら、この回だけは例外的に非公開になり、コミックスで楽しんでねとなっていた。んー商売上手ゥ!

里好『踏切時間』1〜2巻

踏切時間 : 1 (アクションコミックス)

踏切時間 : 1 (アクションコミックス)

踏切時間 : 2 (アクションコミックス)

踏切時間 : 2 (アクションコミックス)

朝の通学時間だけにフォーカスした『ちおちゃんの通学路』と同じく、踏切の待ち時間だけにフォーカスしたシチュエーションコメディー。

この手の漫画は、上手くやると凄くハマる気がする。最近では、社会人のアフター5にだけ着目した『おとなのほうかご』や、初めてのセックスの直前1時間にフォーカスを当てた『初情事まであと1時間』なんかも非常に面白い。昨日の『まどからマドカちゃん』もそうかな。

incubator.hatenablog.com
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福田泰宏『まどからマドカちゃん』1巻

まどからマドカちゃん(1) (モーニングコミックス)

まどからマドカちゃん(1) (モーニングコミックス)

ごく普通の何ということもないサラリーマンが出勤中に、道路の脇の家の窓から「マドカちゃん」という詳細不明な女がボケをかましてくる……と、まあそういう設定。

でもこの面白さというかふわふわとした魅力は、実際に漫画を読んでみないと伝わらないかもなー。