雨隠ギド『甘々と稲妻』9巻

甘々と稲妻(9) (アフタヌーンコミックス)

甘々と稲妻(9) (アフタヌーンコミックス)

可愛い子供を眺めてほんわかする漫画は、2017年現在、もう本作が一強と言って良い。『よつばと!』とかどこに行ったんだろうなあ。まだ完結していないはずなんだけど。

芝村裕吏+キムラダイスケ『マージナル・オペレーション』9巻

マージナル・オペレーション(9) (アフタヌーンコミックス)

マージナル・オペレーション(9) (アフタヌーンコミックス)

主人公は、子供を傭兵として使役することで生計を立てる、通称「子供使い」と呼ばれる傭兵のボス(戦術指揮)である。元ニートの主人公は、色々あって民間軍事会社で働くことになり、しかも元ゲーマーでシミュレーションゲームにも強かったためか、傭兵たちの指揮に類稀なる才能を示す。しかし自分が指揮していた戦闘員たちが実は年端も行かぬ子供だったことを知り、しかも更にまた色々あって、主人公は24人の子供たちを面倒を見ることになる。

主人公は、子供たちに戦闘とは無縁の生活を送らせたいと考えながら、現状、子供たちを数十人も抱えて生きていくためには戦争をして金を稼ぐしかなく、そのことで子供たちが危険に晒される。その矛盾に主人公は苦悩していた。しかし意地悪な言い方をすれば、これまでは苦悩していれば良かったのである。

9巻は、かなりショッキングな展開になる。現実はリアルだ。ここでのリアルとは、酸いも甘いも自分たちの都合に関わらず押し寄せてくるということである。これまで保護者ヅラをして苦悩していれば良かった主人公に、傭兵として、24人の育ての親としての覚悟とビジョンが問われることになる。原作はもっと続いているようだが、作品的には、ここがひとつのクライマックスだな。

中村尚儁『伝説の勇者の婚活』全4巻

伝説の勇者が、伝説達成後(つまり魔王を倒しちゃった後)自分が勇者であることを隠して婚活をするというコメディー。ガツガツとした笑いを取りに行くわけではないが、涙あり笑いありの堅実なお話づくりで、個人的にはけっこう楽しめた。全4巻と短めだが、まあダラダラと続けるうちは面白いうちに完結させておいた方が良いだろう。

次回作に期待。

岩本ナオ『スケルトンインザクローゼット』

スケルトンインザクローゼット (フラワーコミックス)

スケルトンインザクローゼット (フラワーコミックス)

岩本ナオのデビュー作。

絵的には習作レベルだな。でもお話は引き込まれる。

岩本ナオに(わたしが読んでいる限りで)共通するのは、いわゆるドラマやアニメに頻出する「一目惚れ」的要素があまりないような気がする。この人にとっての愛とは時間の流れに関係するものなのかな。

岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』1巻

マロニエ王国の七人の騎士(1) (フラワーコミックスα)

マロニエ王国の七人の騎士(1) (フラワーコミックスα)

『金の国 水の国』を読んでから、極私的岩本ナオブームがじわじわと盛り上がり中。

これは最新作なのだが、この人らしいじわーっとした面白さがある。

蝸牛くも+黒瀬浩介『ゴブリンスレイヤー』3巻

ゴブリンスレイヤー 3巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)

ゴブリンスレイヤー 3巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)

  • 作者: 蝸牛くも(GA文庫/SBクリエイティブ刊),黒瀬浩介,神奈月昇
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
剣と魔法の中世風ファンタジー。

主人公は、徹底してゴブリンだけを狩り続けるある意味異様な冒険者なのだが、それでもゴブリンを徹底して狩って世の中に貢献してきたことが認められたのか、パーティーになってくれる人がいて、一人では太刀打ちできないようなゴブリンの群れを仲間とともに倒すことにする。この手の害虫は徹底的に潰さないとな。面白い。

岩本ナオ『雨無村役場産業課兼観光係』

雨無村役場産業課兼観光係 1-3巻 セット (フラワーコミックス)

雨無村役場産業課兼観光係 1-3巻 セット (フラワーコミックス)

元々デビュー作の頃から知ってはいたのだが、まあ少女漫画だということでスルー。その後も何となく気にはなりつつスルーを繰り返し、この度『金の国 水の国』を読んでかなり面白かった(しかも何度読んでも面白い)ので、遅ればせながら過去作も読んでみることにした次第。

incubator.hatenablog.com

本作は、大学卒業後に生まれ育った田舎の役場で地味に働くことを選んだ主人公の、地味な役場ライフ漫画である。徹頭徹尾、地味なんだが、それがまたじんわりと面白い。これは当たりです。

遠田マリモ『魔王遭難中』全2巻

魔王遭難中!!! ?愉快な仲間達を添えて?(1) (週刊少年マガジンコミックス)

魔王遭難中!!! ?愉快な仲間達を添えて?(1) (週刊少年マガジンコミックス)

魔王遭難中!!! ?愉快な仲間達を添えて?(2) (週刊少年マガジンコミックス)

魔王遭難中!!! ?愉快な仲間達を添えて?(2) (週刊少年マガジンコミックス)

魔王と側近たちが、魔界から人間界にワープしたら、ワープ座標を間違えただか何だかで無人島に流れ着き、しかも魔法が使えない……というのでサバイバル生活をスタートさせるという設定の漫画。けっこう面白いんだが、無人島遭難モノというのは、何しろ情報量が乏しいから、出足の面白さの勢いはあるんだが、なかなか面白さが継続しない気がするんだよなあ。そこをどうするかが難しそう。

……と1巻の感想を書いていたのだが、いざアップしようとしたら2巻が出ていて、しかも2巻で完結していた。やっぱりなあ。

岡本健太郎+さがら梨々『ソウナンですか?』1巻

ソウナンですか?(1) (ヤングマガジンコミックス)

ソウナンですか?(1) (ヤングマガジンコミックス)

文字通り、無人島に遭難してしまった女子高生グループのサバイバル生活を描いた漫画。

ただしカタカナで「ソウナン」と表記されていることから想像できるように、コメディタッチである。

また、女子高生の中に「たまたま」サバイバル技術に長けた女子高生がいたというのも、まあここまで露骨だとネタの類と言って良いだろう。

今のところそれなりに面白いんだが、もう少し変化がないと2巻か3巻で息切れするだろうなあ。

荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険Part8:ジョジョリオン』15巻

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)

第8部もけっこう長くなってきたなあ。

現状、誰がラスボスになるのかも全然わからない状態だが……。

平本アキラ『監獄学園』26巻

監獄学園(26) (ヤンマガKCスペシャル)

監獄学園(26) (ヤンマガKCスペシャル)

一時期のスランプを抜け出て、また面白くなってきた。

ヘタウマ系の(ないしは単に絵が下手な)ギャグ漫画家はたくさんいるが、この人はいつの間にやら超絶画力を身につけ、しかもそれを全面に押し出しながら下ネタも全開。稀有な才能である。

吉田丸悠『大上さん、だだ漏れです。』1巻

大上さん、だだ漏れです。(1) (アフタヌーンコミックス)

大上さん、だだ漏れです。(1) (アフタヌーンコミックス)

これは久々に(というほど実際は久々でもないが、読んだ冊数からすると久々に)大ヒット来た。

主人公は、いつもエッチなことを考えまくってどうしようもなくなっている思春期真っ只中の女子高生。男のアレがどうなっているんだとか、脇毛がどういう風に生えているんだとか、耳を舐めたいとか舐められたいとか、その手の興味や欲望が頭の中を支配している。

一方、触られると、触った相手が本音をポロッと言ってしまうという特殊体質を持った男子高校生。だからこの男子高校生は特定の人と仲良くしない・仲良くできない状態。

で、この二人が友達になる。

エロい妄想が口をついて溢れる。かなり最低な部類の相性なのだが、二人はそれでも友達になろうとするのである。

やや出オチ感はあるものの、個人的にはかなり楽しませてもらっている。

恵三朗+草水敏『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』9巻

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(9) (アフタヌーンコミックス)

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(9) (アフタヌーンコミックス)

医療モノはハズレがないなあ。爆発力はないが、相変わらず面白い。

諫山創『進撃の巨人』23巻

進撃の巨人(23) (週刊少年マガジンコミックス)

進撃の巨人(23) (週刊少年マガジンコミックス)

正直に言って、スケールのデカさが凄いと思う反面、巨人はただの道具に成り果てて、当初の「巨人キモこわい」状態が懐かしい。