湯本香樹実『夏の庭――The Friends――』

死に対する好奇心と恐怖に包まれてしまった小学生の主人公3人は、「死の瞬間」を見たくて、ある老人を観察し始めるようになる。しかし少年たちと交流していくにつれて、老人はだんだん元気になっていき――といった説明でアウトラインは外していないだろう。涙が出るほどではないかもしれないけれど、ささやかな感動がある。何より文章が易しい上に短いので、ちょっとした気分転換にも適当な本だと思う。佳品ですなあ。中学生くらいでも楽に読めると思う。