重松清『エイジ』

エイジ (新潮文庫)

エイジ (新潮文庫)

東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンに住む中学二年生の「エイジ」の同級生が、連続通り魔殺人事件の犯人として捕まった。クラスメートではあるが、さして親しくもない、普通の中学生だった犯人。「少年」の事件をきっかけに、少年達の心は様々に揺れる。不良風だが根が真面目な「ツカちゃん」は、被害者の心情に自分を重ね合わせ、「タモツくん」はクールに事件を見る。そして「エイジ」は、加害者に自分を重ね合わせる――といったアウトラインだろうか。小説のアウトラインをまとめるのはなかなか難しい。
ちなみに本書は、山本周五郎賞も受賞した小説だが、元は朝日文庫から出ていたらしい。前に読んだ『ナイフ』と同じ出版社で出したくて、新潮文庫からも出したんだそうだ。まあそれは書き手のコダワリで、読む方はあまり意識しないんだけど。