村上春樹『‘THE SCRAP’ 懐かしの一九八〇年代』

1982年春から1986年2月までの4年間「スポーツ・グラフィック・ナンバー」という雑誌に連載されていた、アメリカの雑誌や新聞をネタに書かれた短いエッセイ。村上春樹は「どんなものでも一年つづけると飽きてしまう」ほどの連載嫌いだそうで、この連載が4年間も続いたのは、とてもラクで楽しかったからだそうだ。その雰囲気は文章の中からも感じられ、くつろいで楽しく読むことができる。しかし初期のエッセイだけあって、やはり文体も90年代のエッセイとは印象がけっこう違うね。これはエッセイとしても普通に楽しめるので、興味のある人はぜひ読んでみてほしい。