
バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉 (中公文庫)
- 作者: スコットフィッツジェラルド,F.Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1999/09
- メディア: 文庫
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ところで俺にとっては、村上春樹こそが数少ない宿命的な作家なのだが、村上春樹の翻訳については、本当に巧いなと思うし、翻訳家としてのスタンスにも感服するし、翻訳された作品も凄いと思うのだが、なぜかスコット・フィッツジェラルドもレイモンド・カーヴァーもトルーマン・カポーティもC・V・オールズバーグも今のところそれほど心惹かれるわけではない。マーク・ストランド『犬の人生』に至っては全く合わなかった。まあ村上春樹とスコット・フィッツジェラルドは、文体もテーマも考え方も生き方も全く異なるわけだし、俺と村上春樹も、少なくとも生き方は全く異なる。「人間性や考え方が同じだからといって惹かれるわけではない」という事実は、当たり前だが、よくよく考えると不思議だ。