- 作者: とよ田みのる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/09/19
- メディア: コミック
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「もっと話をしたい!」「デートに誘いたい!」「恋心を伝えたい!」「お弁当を作ってもらいたい!」「キスをしたい!」「乳を揉みたい!」といったホンネの気持ちを、うまーくパートナーとシェアして欲望を充足すべく、ドタバタワーワーする――というのがラブコメの基本構造であろう。しかし『ラブロマ』では、正直すぎる星野くんが、そうした欲望をエピソードの序盤で(多くの場合、クラスメートの揃った教室など、みんなの見守る中)根岸さんに直接ぶつけてしまう。そこから、根岸さんの嬉し恥ずかしな狼狽っぷり&ツッコミと、星野くんのぶっちゃけすぎな言動を基本に、物語がドタバタワーワー展開するのである。
【星野くん】
愛ってなんでしょうかね?
【根岸さん】
え?
【星野くん】
……人を『好き』という行為が 利己的にしか思えないときがあるんです
無償の愛なんてものが存在するんでしょうか?
【根岸さん】
……星野くん なんか重たいよ
なんかあったの?
【星野くん】
いえ 俺が言いたいのは ようするに……
根岸さんに俺のお弁当を作ってもらいたいんです!!
【根岸さん】
最初っからそう言えー!!!!
【根岸さんの友達】
今日も平和ね
そして2人はドタバタワーワーしながら「愛とは」「性欲とは」「日常とは」と正直すぎるほどに語り合い、ドタバタワーワーから生まれた愛の気持ちや喜びや嫉妬を、これまた正直に語り合う。2人は、2人が違うからこそ互いに惹かれ合うんだということを互いに再確認し合いながら、お互いの気持ちを深め合うのである。
【星野くん】
(根岸さんの作ったお弁当を食べて)見た目通りマズイです
でも最高に嬉しいですよ
【根岸さん】
「でも」かよ!!
【星野くん】
世の中もっと大変なことありますよね?
【根岸さん】
へ?
【星野くん】
それに比べたら お弁当なんてささいなことじゃないですか
【根岸さん】
まーね?
【星野くん】
でも俺たちにとっては一大事ですよね
ん〜、「ラブコメ」の表現が一回りするとこうなるのか〜。星野くんのエキセントリックなほどのストレートっぷりが、逆に非常に新鮮で、読んでいてとても気持ちの良い作品。