村上春樹『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』

月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー)

月曜日は最悪だとみんなは言うけれど (村上春樹翻訳ライブラリー)

本書には、レイモンド・カーヴァー、ティム・オブライエン、ジョン・アーヴィングといった、村上春樹が強く影響を受けていると思われる作家にまつわる(小説・エッセイ・評論など様々なジャンルの)文章が多く収録されている。以前から気になっていた本だが、今回、村上春樹翻訳ライブラリーに加えられたので、購入することとした。
村上春樹のかなり長い解説やコメントが寄せられており、カーヴァーやティム・オブライエン、アーヴィングにそれほど詳しくなくとも読みやすいし、村上春樹を知る上でもかなり参考になる本であろう。また村上春樹の「翻訳の寿命は、いったいどれくらいのものなのだろう」というエッセイが収録されているが、周知の通り、村上春樹は小説家の中でも屈指の翻訳ボリュームを誇っている。村上春樹のファンにはかなりオススメしたい本である。
ちなみに本書の書名は、あるブルースの一節「月曜日は最悪だとみんなは言うけれど 火曜日だって負けずにひどい」から来ている。タイトルを見た時点では「月曜日は最悪だとみんなは言うけれど、月曜日だってそんなに捨てたもんじゃないぜ」という意味なのかと思っていたが、実際は全く違う意味であった。うーん確かに、火曜日も水曜日も木曜日も金曜日も負けずにひどい!