日本経済新聞社『眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし――チカラを抜いて、スローな投資生活を始めよう』

眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし―チカラを抜いて、スローな投資生活を始めよう

眞鍋かをりと松本大のいちばんやさしい株のはなし―チカラを抜いて、スローな投資生活を始めよう

最近どうにも株式投資やデイトレードがブームである。俺自身とても興味がある一方「なーんか違うよな」という思いも捨てきれない。結局のところ、マスコミやネット証券会社主導の「作られたブーム」という気がするのである。安く買って高く売れば良いのだから、誰がやっても儲かりそうなものだが、実際そうはならない。あんなに株式投資の本が出ても、結局そのどれもが決定打にはなっていない。
実は俺も投資をやってみたいのだが、そうしたデイトレブームを目の当たりにすると、いわゆるデイトレ的な株式投資は絶対やらないだろうと思う。現状そんなに暇ではない。好きな会社の株を持ち続ける長期保有と、せいぜい週単位/半月単位くらいで株価の推移をチェックしていく程度が限界だろう。当然、デイトレで大金を稼ぐというよりは、銀行に預けるよりはマシな程度の利息を少しずつ得て、それを「アブク銭」として本や漫画への投資に消費することが目標になろう。
そういった考えに、本書はマッチしている。インテリ系女優の眞鍋かをりを引っ張り出してきて、一時期かなりブームになったようだが、その種の本にありがちな話で、すぐに読める程度の浅い内容である。しかしスローな投資生活というコンセプトは気に入った。短期売買が悪くて長期保有が良いと言えるほど俺に知識があるわけではないが、身の丈に合った資産運用に俺は興味があるのである(そもそも俺に「資産」などあるのかという疑問もある)。