浦沢直樹+工藤かずや『パイナップルARMY[文庫版]』1巻

パイナップルARMY (Operation 1) (小学館文庫)

パイナップルARMY (Operation 1) (小学館文庫)

引っ越しの際に通常版コミックスを泣く泣く手放したが、また読みたくなり、今度は文庫版を購入。元・凄腕の傭兵にして爆破物スペシャリストだったが、今はCMA(民間軍事援助組織)のインストラクター・ジェド豪士が主人公の物語だが、キャラクターも魅力的だし、バランスがとにかく良い。
俺は常々「浦沢直樹は原作付きの方が面白い!」と声高に言っているが、浦沢直樹は原作がないと(ストーリーテリングに長けているだけに)どんどん話をもったいぶって引き延ばし、中だるみしてしまうように思う。しかも主人公の置かれた状況が悲惨すぎて「作者はマゾなのか?」と思ってしまうくらいである。『YAWARA!』しかり、『HAPPY!』しかり、『MONSTER』しかり。
その点、『パイナップルARMY』は、原作付きで、一話完結モノも多く、そのあたりのバランスがとても取れているのである。冷戦構造の話なんかもあって、時代も感じさせる。