高橋俊介『人材マネジメント論 儲かる仕組みの崩壊で変わる人材マネジメント』

1998年の初版からの改訂版。詳しい経歴を把握しているわけではないが、旧版の発売当時の著者のベースはコンサルタントだったはずで、その経験を活かし、初学者にもわかりやすいよう、コンサルタント的に問題をぶった切ってまとめてくれた本であった。一方、新版では、学者として何年も活動されてきたからか、あえて組織の持つ複雑で曖昧な部分を残した本だという印象がある(特に第1章の読後感はかなり異なる)。
つまり切れ味としては旧版の方が鋭いし、初学者が基本的なフレームを理解するにも旧版の方が良い。ただ新版は新版で、答えのない問題を考えるには適しているし、事例や潮流などが2007年現在に更新されているので、個人的には旧版を読んで新版を読むという順番を推薦したい。ちなみに2回読むと、旧版にしか書かれていない記述や新版にしか書かれていない記述などを比べられて、なかなか面白い。