作画:石黒正数+原作:鹿島潤『アガペ』4巻

アガペ 4 (MFコミックス)

アガペ 4 (MFコミックス)

迷走したまま作品が終わってしまった……。テーマは面白いと思ったし、実際に最初はまあまあだったのだが、そのテーマを扱いきれなかったのかな。面白くないストーリーは言うまでもなく、石黒正数の絵も、途中からのギャグやエロに無理がありすぎる。試行錯誤を通り越して既に破綻しているため、『それでも町は廻っている』のファンは読まない方が良いかもしれない。
さらに言うなら、原作者が「あとがき」で、本作で引用したニーチェ八木重吉・シンボルスカ・ウィトゲンシュタインヴィトゲンシュタイン)の言葉の解説をしているあたりが、とにかくひたすら寒い。迷走と破綻の末に物語を終わらせた原作者が何をか言わんや。作家は語るな、物語れ!
ところで2巻で犯罪に走った武市涼宇が、まだ捕まっていないような。読み飛ばしたかな。無理のある展開からして打ち切りになったのかもしれないが、たとえ打ち切りでも、こういうところはきちんと始末をつけていただきたい。