- 作者: 高橋陽一
- 出版社/メーカー: ゴマブックス
- 発売日: 2008/07/02
- メディア: 単行本
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自身がキャプテンを務めるサッカーチーム「ゴールデンキッズ」を存続させるため、剛流(ごうる)は、父親、弟、チーム名との父親、転校生、元女子サッカー選手――と、様々な人々を巻き込んでいき、ゴールデンキッズは短期間で着実に成長していく。しかし大人たちの腐った一面が発揮され、せっかくの剛流たちの努力が水泡に帰そうとする。クライマックス前の重要なシーンなので詳しくは書かないが、さすが巨匠、児童文学でも容赦なく大人の汚い側面を見せてくれます。
ところで主人公の剛流(ごうる)には小学3年生の弟・秀人(しゅうと)がいる。ゴールとシュートなので、秀人も当然サッカーをやりそうだが、今のところ一切サッカーはやらない。それどころか兄の練習に無理やり付き合わされ、「もういいよ! ボクはサッカーなんて好きじゃない! これ以上、兄ちゃんにもつき合っていられない!」と怒り出す始末。しかし、その後も毎日毎日必死に練習する兄の姿を見て、弟にも感じ入る何かがあったようだ。弟は作文で兄のことを書いている。
「ボクのお兄ちゃん」 三年二組 北側秀人
ボクのお兄ちゃんはサッカーをしています。ゴールデンキッズというチームです。毎日一生懸命練習しています。
ぜんぜん弱いチームだけど、地区大会で一勝するのだけが目標だけど、だけど一生懸命サッカーをがんばっているお兄ちゃんはかっこいいです。
ボクもいつか、お兄ちゃんのように熱中できるなんかが、見つかればいいなあと思います。
弟よ、普通そこはサッカーに熱中するだろう!
さすが巨匠、兄に憧れて弟もサッカーを始めるなどという安易な展開は許しません。
最後に小ネタをひとつ。主人公のチームメイトには長尾というチームメイトがいる。その名の通り長身なのだが、何と股下90cmである。90cmて!