SFマガジン編集部『SFが読みたい!2002年版』

SFマガジン編集部による、2000/11-2001/10の新作SFのブックガイド。昨日エントリーした2001年度版(2000年発表)からのピックアップは数が多すぎたので、少し数を減らしてピックアップしていきたい。俺はまだSFについては門外漢なので、本当に面白い本を外してしまう可能性もあるが、その場合も、今後もSFを体系的に読んでいくことになれば、死ぬまでには読むことができるだろう。

かめくん (徳間デュアル文庫) 北野勇作『かめくん』
ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫) 小林泰三『ΑΩ(アルファ・オメガ)』
銀河帝国の弘法も筆の誤り (ハヤカワ文庫JA) 田中啓文銀河帝国の弘法も筆の誤り』
鳥類学者のファンタジア (集英社文庫) 奥泉光『鳥類学者のファンタジア』
ふわふわの泉 (ファミ通文庫) 野尻抱介『ふわふわの泉』

国内SFからは5作品。北野勇作『かめくん』は亀、小林泰三『ΑΩ(アルファ・オメガ)』はウルトラマンを髣髴とさせる巨大ヒーロー、田中啓文銀河帝国の弘法も筆の誤り』は弘法と、妙に笑える設定である。続いて、奥泉光『鳥類学者のファンタジア』は漫画の原作になっているし、野尻抱介『ふわふわの泉』はファミ通文庫。こういうSFも読んでみたいなということで全体的にライトなイメージの本をピックアップ。

タクラマカン (ハヤカワ文庫SF) ブルース・スターリングタクラマカン
過ぎ去りし日々の光〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) 過ぎ去りし日々の光〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) アーサー・C・クラーク&スティーブン・バクスター『過ぎ去りし日々の光』
フラッシュフォワード (ハヤカワ文庫SF) ロバート・J・ソウヤーフラッシュフォワード
素粒子 (ちくま文庫) ミシェル・ウエルベック素粒子
スターガール ジェリー・スピネッリ『スターガール』

海外SFからも5作品。第1位のグレッグ・イーガン『祈りの海』は、昨日のエントリーでも書いたように読了済なので外した。確かに面白かったが、そんなに評価が高かったのか。ミシェル・ウエルベック素粒子』とジェリー・スピネッリ『スターガール』は、本書のベスト20には入っていなかったが、巽孝之が推薦していた本。巽孝之はこの時期に『「2001年宇宙の旅」講義』を新書で出版するなど、幅広く活躍している。ネットで文章を検索してみても、SF評論の世界では名実共に頭一つ抜け出ているような気がする。