池上永一『シャングリ・ラ(上)』

『SFが読みたい!』で紹介されていた本。

資本主義経済が崩壊した近未来では、二酸化炭素を削減するために、世界は炭素経済に移行している。二酸化炭素を削減することで利益を生み出す一方、二酸化炭素を多く排出する国では多額の税を取られる。二酸化炭素の削減が国家の至上命題となっているのである。そして日本は二酸化炭素の削減のため、東京に超高層建造物「アトラス」を建造して都市機能をアトラスに移し、その一方地上を森林化し、100万人規模の難民を生み出しながら強引に二酸化炭素の削減に取り組んでいる――という設定である。この設定はめちゃくちゃ良いね! 設定として単純に面白いだけでなく、批評精神がある。

一方、キャラ造形は「んー?」という感じも。主人公の北条國子は、少年院帰りの18歳にして反政府ゲリラの総統。育ての親は、元最強クラスの格闘家で現オカマ。悪くはないんだが、ちょっと突飛すぎるよなー。