池上永一『シャングリ・ラ(下)』

『SFが読みたい!』で紹介されていた本。

詳しい設定は前日のエントリーを読まれたし。

資本主義経済から炭素経済への移行という設定は極めて面白いのだが、下巻になると、だんだん物語が「しっちゃかめっちゃか」になってきた。オカルトも出てくるし、出生の秘密も出てくる。うーん、こういう風に持ってきたかー。しかし、こういうハッタリや大風呂敷を広げられる破天荒な作品というのは意外に貴重だから、これはこれでアリかもしれない。

なお、本作に出てくる「高い人口密度で都市や国に匹敵する住人が居住し、生産・消費活動が自己完結している巨大な建造物」のことを「アーコロジー」と呼ぶのだが、このアーコロジーは何もおとぎ話ではなく、現実世界で何度も提案・提唱されているものである。個人的には住みたくないが、設定としては凄く気になるし、最後はアーコロジー化しないとならないのではないかと思う。人口が増大する地域においては、アーコロジー化しないと自然を維持できないし、逆に人口が減少する地域においてもアーコロジー化しないとインフラを維持できない。

ja.wikipedia.org

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