熊倉隆敏『もっけ』3巻

もっけ(3) (アフタヌーンKC)

もっけ(3) (アフタヌーンKC)

月刊アフタヌーンに連載されていた伝奇漫画。おどろおどろしい作風ではなく、物の怪との共存ないし棲み分けがテーマと言えるだろう。
実は、俺はこの種の「妖怪」だの「幽霊」だのといった作品が正直あまり好きではない。けれど、この作品は大好きである。オカルト作品やオカルトマニアの言説にありがちな「優越感」が皆無なのが良いね。主人公の姉妹は、霊感が強いことで、親と離れて暮らさなければならないといった現実的な不具合を受けており、しかしそれでもなお、あるがままに境遇を受け止め、かつ「より良く生きる」ために、家族や周囲の人々の助けを借りながら、「彼ら」との共存の形を子どもながらに模索している。そのひたむきさには、心を打たれる。