小川一水『ファイナルシーカー レスキューウイングス』

SF作家としての地位を確立した小川一水による小説。
この人は、いわゆる「仕事」をモチーフにした小説を書くことが多く、本書も自衛隊の救助隊という仕事に就く人々を主人公としている。が、主人公は妖精のような霊のような代物に取り憑かれている。色々と邪魔なところもあるのだが、この霊のおかげで、救助が上手く行く――という設定だろうか。
あまりゴリゴリのSFではないが、この人の読みやすい文体と細部の手触り感にこだわった設定は、今に通じるところがある。