- 作者: 村上春樹,カット・メンシック
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/11/30
- メディア: ハードカバー
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「眠り」自体は『TVピープル』でも読める上、全集や『象の消滅』にも収録されている。しかし本書は、「眠り」を改稿の上、作品名を「ねむり」と改題した作品である。改題しているからには、厳密には別作品だと言えるだろう。まあ「眠り」と「ねむり」の具体的な変更点を逐語的に確認できるほどには読み込んでいないけれど、作中のイラストが印象的で、ファングッズやプレゼントとしても機能する一冊である。
余談1
村上春樹が先日「カタルーニャ国際賞」という賞を受けたそうで、村上春樹がカタルーニャで受賞スピーチを行なっている。その原文がネットで読むことができるので紹介しておきたい。このご時世を反映して、「東日本大震災」とその後の「東京電力大人災」がスピーチのテーマになっている。
余談2
今、東電と原発をめぐる一連のゴタゴタを総称して何と呼ぶのだろう……と考えて、この「東京電力大人災」というキーワードを思いついたのだが、googleで検索したところ、既に一般化されている言葉だった。これ自体は何ということもないのだが、検索結果を順番にチェックしていたら、「菅東電大人災」というキーワードまで登場してきた。
菅東電大人災――スゴいインパクトだなあ。
一国のボスである菅直人が「首相を辞めたくないんです!」と子供のように駄々をこねている様はあまりに異様だが、人並みのプライドを持っている人間なら、こんなレッテルを貼られたまま、苦労して射止めた首相の座を手放したくはないだろう。菅直人の気持ちが少し理解できた。俺はカイワレの頃から一貫して菅直人という政治家をあまり信用していないので、理解できてしまったこと自体が「甚だ遺憾」ではあるけれど……。