坂井恵理『ビューティフルピープル・パーフェクトワールド』

ビューティフルピープル・パーフェクトワールド (IKKI COMIX)

美容整形が発達しまくった（けれどそれ以外は今とあまり変わっていない）近未来を舞台としたライトSF風味な連作集。この人は絵も巧いし、こういう突飛なアイデアを漫画としてきちんと読ませる高いストーリーテリングの力がある。個人的には大絶賛中なのだが、本書以降、なかなか次のコミックスが発売されないなあ。早く次の作品が読みたい。

余談

絵柄に何となく記憶があったのだが、この人って『ラブホルモン』の作者なんだな。『ラブホルモン』というのは10年くらい前にヤングマガジンコミックスから出た、「ラブホルモン」という惚れ薬を使って心も売るという援交（援助交際）を続けている女子高生の物語である。発売直後は購入していたが、手放して久しいので、忘れていた。
可愛らしい表紙や絵柄とは裏腹のシリアスなセリフやストーリーに当時はビックリしたものである。しかしセックス・性をモチーフに愛だの青春だのを描くという手法は、当時のヤングマガジンが大得意としていた手法で、それを鑑みるとセリフやストーリーのシリアスさも十分に納得できる。