『深夜特急』や『インドの大道芸人』と並んで、紀行文や滞在記といった異文化エッセイを読み漁る原因を作った作品。作者は当初トルコに旅行で訪問してハマッていくのだが、いつの間にかトルコ人男性と結婚して、トルコと日本を行ったり来たりするようになる。旅行者・滞在者・居住者・そしてトルコ人の妻という複眼的な立場から異文化を体験しており、すごく面白い。
なお異文化本と言っても作風は基本的にライトで、異文化摩擦やアイデンティティの自問自答で重苦しくなるようなところはほとんどなく、気軽に読み返すことができる。
なお本作自体は1〜4巻と21世紀編(実質的な5巻)で一旦完結した……のだが、数ヶ月前から月刊YOUで『トルコで私も考えたリターンズ』が連載開始になっている。単行本になるのはかなり先の話になると思うが、楽しみ。作者の夫が最近トルコ料理店(店名はファンならお馴染み)を出したので、トルコ料理店の話も出てくるのだと思う。リターンズでは、これまであまり見られなかった、日本でのトルコ人コミュニティの話も描いてもらえると面白いなぁと思う。