伊坂幸太郎『モダンタイムス(上)』

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)

システムエンジニアの主人公が、ある出会い系サイトの仕様変更を請け負ったところ、どうもプログラムに不明な点が多い。しかし発注元に確認しようにも、連絡が全く取れない。そのため色々とプログラムを解析したり検索して調べたりするのだが、その内、プロジェクトメンバーの上司や同僚に危険が及ぶようになる……というプロローグの近未来小説。現実離れしたエキセントリックな恐妻が登場するなど、やや突飛な設定もあるが、そういう違和感のある設定は伊坂幸太郎の得意とするところである。文章が読みやすい上、ストーリーも適度に緊張感があり、先が気になって仕方がない。
モダンタイムス(上) (講談社文庫)  モダンタイムス(下) (講談社文庫)