初田賢司『システム開発のためのWBSの作り方』

システム開発のためのWBSの作り方

システム開発のためのWBSの作り方

WBSとはWork Breakdown Structureの略である。プロジェクトの計画策定や管理に不可欠なツールないし考え方を指すが、WBSは、まず「プロジェクト」の成果物をできるだけ細かい単位に分解し、細分化された成果物に必要な作業を洗い出す。その作業ごとに必要な作業量を見積もれば、その総体がプロジェクト全体の見積もりになるという寸法である。
WBSを使ったことがある方はよくわかると思うが、正直に言ってWBSは作るのも管理するのも大変で、得てして「管理のための管理」になりがち……というのが俺の経験則である。しかし一方でWBSなしにプロジェクトを進めるのは、地図も無く密林を歩くようなもので、確実にデスマーチになる。もう少しWBSのキホンを押さえておくべきだと思い、本書を手に取った次第。
まあ特別なことは書いていないが、作り方が綺麗にまとめられていて、改めて振り返るきっかけになる。

余談

WBSやプロジェクト管理のことを考えれば考えるほど、以前に読んだ影山明『プロジェクトを変える12の知恵』という本を思い出す。この本では、恣意的・感覚的なパーセンテージと行数ばかりが増えたWBSで進捗を管理するくらいなら、セッション単位で進捗を管理する方が実践的……といった下りがあったけれど、読み終えてから時間が経てば経つほど深いなぁと思う。先日『プロジェクトを変える12の知恵』を買い直したので、『システム開発のためのWBSの作り方』と一緒に読み返そうと思う。
プロジェクトを変える12の知恵 -ケンブリッジ式ファシリテーション-