- 作者: 平野友朗
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2017/10/31
- メディア: Kindle版
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- 一つのことに集中する
- 情報を一元管理する
- 繰り返しの業務の効率を突き詰める
- 一つ一つの作業スピードを上げる
どれも全く同意である。
最近「マルチタスク」についてよく考えるが、人は本質的に厳密な意味でのマルチタスクは不可能だ。手は一応2つあるが、頭はひとつしかなく、2つ以上のことを同時にこなすことはできない。もちろん「マルチタスクのようなもの」は工夫次第でできる。例えば、時間帯によって瞬間的に頭を切り替える。例えば、部下に仕事Aを降っている間に自分が仕事Bをして、仕事Bの作業の合間に、部下から上がってきた仕事Aのレビューをする。これは広義にはマルチタスクかもしれないが、頭の動きが厳密にマルチタスクで動いているわけではない。結局、仕事のスピードを上げるためにやれることとしては、上記に加えれば、仕事を部下や協力会社(時には上司)にいかに振るか、というぐらいしか残されていないのだ。あとは本人の練り上げられた思考力のスピードに依存する。
その辺のことを、本書は噛み砕いて、かつ掘り下げて色々と説明してくれている。本書の目次は「付箋を使うな」「ノートを使うな」「優先順位はつけるな」「手帳を使うな」「メールに時間をかけるな」というキャッチーなものになっているが、わたしは本質的なアドバイスをしてくれていると思った。
特に良いと思ったのが、本書のタイトルにもなっている「時間割」という発想である。Todoだのタスクだの面談だの移動時間だのバッファ時間だのを全部「時間割」にまとめ上げ、いつ何をどういう順番でやるかを整理するというものなのだが、ToDoに欠けている実施時間の概念をスマートに解決しており、とても良い。これは何となく自分の中にあったアイデアなのだが、仕事が硬直化するかなーと思ってやっていなかった。しかし改めて説明されると、これは使いやすそうだ。
時間割の作り方も、大きな石→小石→砂→水と、要は動かすのが難しい打ち合わせやマイルストーンを先に埋め、そのマイルストーンに紐づく作業を埋めよというものだ。これ自体は当たり前なのだが、わたしがなるほどと思ったのは、むしろ砂や水と呼ばれる、予定を多少動かしても何ら問題のない、日々のメールチェックや経費精算といった事柄に対しても、明白な「時間割」すなわち「予定」としてスケジュールを埋めていく、というものだ。これらは何となく気が乗らない時や疲れた時に実施していたが、気が乗らないとなるといつまでもメールチェックをして、そのままインターネットをして…となる。全てのタスクを時間割に落とし込むことで、やる気があろうがなかろうが毎日Dueと戦うことになり、非常に生産性が上がる気がする。
早速実行しようと思う。