押見修造『惡の華』5〜7巻

惡の華(5) (講談社コミックス)  惡の華(6) (講談社コミックス)  惡の華(7) (講談社コミックス)
主人公とヒロインは、もうぐっちょんぐっちょんのドロドロのクソムシな感じに頭の中が塗りつぶされ、もうストレスで沸騰する直前に。ついでにもう一人の清楚系ヒロインも主人公の毒気に当てられてアレな感じに……。そんなこんなで限界に達した主人公とヒロインはついに閉塞した町の「向こう側」に行くための行動を起こすが、まああれやこれやで(ネタバレ防止に詳細を省き)第一部完。
第二部は7巻から。引っ越した先で「普通」の高校生として生活する主人公が描かれる。第一部のラストとはあまりにも対照的な、そして住む町が変わっても何も変わらない、のっぺりとした毎日が続く。でも主人公は全てを諦め、自分を殺して静かに毎日を過ごすのである。第一部のあの日、主人公は一度死んだのだろう……とまあ高校生編はまだ不気味なほど静かな立ち上がりだけど、引っ越した先で新たなヒロインも登場してきたので、ここから物語も少しずつ動いて行くかなという感じ。主人公のリビドーは完全に死に絶えた訳ではないらしく、(自宅には毒薬系の文学は一切ないものの)新しいヒロインが持っている小説を貪るように読み始めている。さて、ここからどうなるか……。
ちなみに第一部のヒロイン2人は、第二部では未登場。まあ住んでいる町が違うのだから当たり前か。でもさすがにこのまま登場しないということは無いだろうから、この後どこで再登場するかも見物だな。
惡の華(1) (少年マガジンKC)  惡の華(2) (講談社コミックス)  惡の華(3) (講談社コミックス)
惡の華(4) (講談社コミックス)  惡の華(5) (講談社コミックス)  惡の華(6) (講談社コミックス)  惡の華(7) (講談社コミックス)

余談

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を読んで静かな衝撃を受け、久々に『惡の華』の続きをチェックしたのだが、この人の漫画は面白いなあ。『惡の華』が傑作すぎて一発屋になるだろうと思っていたが、今後、他にも色々な傑作を生み出してくれそうな予感。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない