野尻抱介『ロケットガール3 私と月につきあって』

私と月につきあって (ハヤカワ文庫 JA ノ 3-15 ロケットガール 3)

私と月につきあって (ハヤカワ文庫 JA ノ 3-15 ロケットガール 3)

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女子高生がロケット乗りになるという話の全4巻シリーズの第3巻。第4巻は短編集なので、実質的にはクライマックスになるだろう。第1巻では主人公と主人公の異母姉妹が宇宙に旅立ち、第2巻では仲間が増えた。主要メンバーがガッチリ固まったところで、第3巻では日仏共同ミッションで、フランス女たちとすったもんだしながら月を目指す様が描かれる。
相変わらず主人公の未熟な言動には眉をひそめざるを得ないし、精鋭が集められたはずのフランス女も日本の少女宇宙飛行士3名に負けず劣らず「アレ」な感じである。というか作者のフランス女への偏見が透けて見えて、何だかなあと思わざるを得ない。しかし本シリーズは、そういうものを取っ払って、女子高生が宇宙を目指す痛快さを楽しむ物語なので、あまりぐちゃぐちゃ考えず、素直に物語を楽しんだ。(読む前から想像がつくと思うが)最後にはフランス女とも意気投合し、それなりのカタルシスは味わえる。