それはさておき、作品としては、何だろう、広く言えばファンタジー世界のハードボイルド漫画ということになるのかな。
魔王・勇者という言葉が頻出するが、魔王と言っても要するにヤクザのことで、勇者と言っても「何でも屋」みたいな感じである。ネットでググったら、改造手術を受けて怪物に変身したりなどの特殊な暴力性を帯びたヤクザやチンピラのことを魔王と言い、魔王を狩る稼業を勇者と呼び、魔王を殺す行為が合法化した社会という設定のようだ。
主人公は実力のある勇者なのだが、主人公からすると勇者って結局(ヤクザではあるが)人殺しなわけだし、勇者はクズだと思って日々グダグダと酒を飲んだりカードゲームしたりと、まあうだつの上がらない毎日を送っている。そんな中、主人公はアカデミーとやらに通って勇者を目指しているらしい女子高生的な3人と出会い、色々あって彼女たちの(勇者としての)家庭教師を引き受ける羽目になる。それと並行して、主人公の仲間の勇者が何らかのトラブルに巻き込まれて魔王に殺されてしまったようで、渋々女子高生たちの面倒を見ながら、敵討ちのような感じで仲間が殺された事件を調べ始める――と、そんな感じのアウトライン。
原作の小説ではもっと細かく書かれているようだが、漫画だと説明より雰囲気とかノリで読ませるみたいな話もあるので、細かいところは正直わたしもよくわかっていない。けどそれはおいおいわかれば良いかなという感じ。面白いと思う。