菅浩江『そばかすのフィギュア』

そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)

そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)

SF短編集。
表題作「そばかすのフィギュア」は星雲賞を受賞したそうだが、その肩書きに見合った傑作。アニメーションのキャラクターコンテストで受賞した主人公・靖子のもとに、時分でデザインしたキャラクターのフィギュアが送られてくる。そのフィギュアは最新テクノロジーで自律的に動くどころか、感情と設定通りの記憶を持ち、饒舌に喋る……という設定のSF短編である。いわゆるオタク・マニア・コレクターと呼ばれる人たちの願望というか心理(真理)を見事に突いたアイデアだが、必ずしもニッチにとどまらない普遍的な感動をも持っている。かなり良かった。
他もまあまあ面白い。