宮尾大志『外資系コンサルのリサーチ技法』

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル

外資系コンサルのリサーチ技法: 事象を観察し本質を見抜くスキル

  • 作者: 宮尾大志,アクセンチュア製造流通本部一般消費財業界グループ
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2015/10/02
  • メディア: 単行本
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大手コンサルファームであるアクセンチュアのコンサルタントが書いた本。Amazonを見たらレビュアーの多くが★1つをつけて罵倒しまくっているが、そこまで悪い本ではない。ただ新しい発見があるかと問われると、ううむと答えざるを得ず、評価の仕方が難しい本だとは思う。

正直に言うと、もう少し「凄いこと」が書かれているのではないかと期待していた。世に「リサーチャー」と呼ばれる人たちがどんなことをやっているのか、実は気になっていたから。けれど本書に書かれていることは、いわゆるコンサルタントの基礎スキルとしての「調べ物のスキル」が書かれているだけである。書名は「外資系コンサルのリサーチ技法」なので著者は何も間違ってはいないのだが、これらのスキルはコンサルタントだけではなく、経営企画、マーケ、ソリューション営業といった人たちが普段やっていることの延長線でもあり、新しい発見がないと怒る人たちがいても仕方ないかなとは思った。リサーチ技法という名前をつけた編集者(著者なのかもしれないが)に問題がある気がする。

さて、大手企業や広告代理店やシンクタンクなどには、いわゆる「リサーチャー」を標榜して、リサーチで食っている人もいるが、そういう人たちは、本書を読んでどんな評価をするのだろうか? 個人的には、彼らのリサーチ技法や、リサーチをカネに変える技術が知りたい。