千葉雅也+山内朋樹+読書猿+瀬下翔太『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』

書店でよく見かけるので気になっていた本だが、いざ読んでみると、正直かなり人を選ぶ本だった。

対談2つと対談者に寄せられた軽い文章で成り立っている本なのだが、前半の対談はほぼアウトライナーに関する対談だ。

アウトライナーというのは階層ごとに文章を管理できるメモ帳みたいなものだ。アウトライン整理に特化して使っている人もいれば、そのまま文章を書いちゃう人もいるのだが、まあ普通のエディタに比べるとパラグラフの追加や削除、階層管理が圧倒的に楽なので、好きな人も多い。

多いんだけど、わたしを含めた多くの人間は、ライティングという時に「まず、アウトライナーだな!」と言うほどアウトライナーに関心はないと思う。

全般的にテーマも発散的で、哲学とか執筆論と呼べるようなものは全然ない。

気軽な対談やエッセイだと思えば、ファングッズにはなるだろう。