藤岡頼光『40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい。』

元々はバイクショップを経営していたが、40歳を過ぎてから改めて英語の勉強をして、今はQQEnglishというオンライン英会話サービスを提供するまでになった方が書いた本。なろう系みたいな書名だが、実際に書名の通りの内容で、40歳を超えると忙しいし気力体力記憶力と衰えてしまうので、完璧な発音・完璧な文法・TOEICスコアなどは全て諦めて、割り切ってやりましょうやという感じ。

わかる。

わかるけど、それでもできいないのが辛いところ。

でも著者の提唱する「ブロック式勉強法」というのは、発想としてなかなか面白い。英語を使えるようになるには、読む・書く・聞く・話すの4技能をバランスよく上げていく必要があるし、そうすると単語もやり、熟語もやり、英文暗証もやり、文法もやり、語法もやり、発音もやり、音読もやり、多読もやって精読もやって、もちろんシャドーイングにリピーティングに瞬間英作文に――キリがない。もちろん同時並行でいろんな勉強をして、かつ初級テキスト・中級テキスト・上級テキスト・実践テキストとランクアップしていけば「抜け」はないが、ひとつひとつの要素の上達のスピードが遅く、達成感がないと著者は言う。一方、著者は「単語」「文法」など一冊ひたすらやって、それをやりきったら次のジャンルの1冊を見つけてひたすらやると。そうすると単語も文法も1冊だけなので抜けは大きいが、1冊だけガッツリやるので上達のスピード(正確には上達したと思えるスピードのことだろう)が速く、達成感を得られると。

わかる。

バランスよくジワジワやるのって、特に最初はけっこう辛いと思う。てか昔か〜なり辛かった。

これだけやれば良いって感じにしたいと思っていた。

先日読んだ酒井龍の『最高の英語学習法の見つけ方』なんかもそうで、わかる、わかるんだけど推奨する英語の勉強法が12個もあって、フェーズごとに色々と工夫しながら毎日3〜4つ程度の勉強をやっていくのとか正直に言って辛い。めんどい。まず文法ひとつだけやって、そのあと英文解釈、発音などを1冊だけやって、単語も初級編と上級編でせいぜい1冊ずつやって、その後はひたすら実践で何とかするみたいなシンプルな勉強法が良いよなと。

  • 単語帳爆速回し
  • シャドーイング
  • 文法書1冊鬼極め
  • 海外ドラマ学習法(改)
  • 1つの教材でゆっくり音読
  • 洋楽で発音マスター
  • 独り言英会話
  • 海外YouTube学習法
  • ラジオで英語シャワー
  • ディクテーション
  • 英語日記×Chat GPT添削
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もちろんそんなに上手く行く話はないんだけど、著者はそれも含めて色々と諦めてやっていけという主張。