『Hollow Knight(ホロウナイト)』@Switch

最近流行りのジャンルのゲーム……と何となく書き始めてみたが、改めて考えると、わたしはコアな方々に比べて「流行り」を語れるほど大した数のゲームをプレイしているわけではない。しかし敢えて整理すると、まず昨今のゲームは「大作化」が進んでいるとわたしは思う。社員数名の小さなゲームハウスがゲームをコツコツ作って、ファンに届けるビジネスモデルは、もはやメジャーではなくなった。

まずユーザーのゲーム体験という観点では、日本のメーカーが得意とする和製RPG(JRPG)も、海外メーカーが得意とするFPS(ファースト・パーソン・シューティング)やTPS(サード・パーソン・シューティング)も、クリアしたりやり切ったりするには100時間以上かかるのがザラだ。最近はとにかくひとつのゲームに没頭・没入させるように、サイドシナリオやサブゲームをふんだんに盛り込んで「やりこみ要素」を作っている。またフィールドをオープンワールド化してプレイヤーをゲーム内に没入させる仕掛けも流行っている。

ビジネスの規模においても大作化は顕著である。オープンワールドの(さっき書かなかったがオープンワールド化は金がかかる)FPSやTPSは数十億円クラスの「映画かよ」ってレベルの開発費をかけて作り込み、それを全世界で数百万本どころじゃないぐらいの本数を売り上げて回収する、というビジネスモデルになっている。(本当は現在6千〜8千円程度がボリュームゾーンだと思うが計算を楽にするため)ざっくり1万円のソフトを1,000万本売り上げると、1,000億円になる。爆発的に売れると、『グランド・セフト・オートV』は1.75億本(つまりスーパーざっくりで1兆円〜1.75兆円規模の)の売上だし、『マリオカート8 / デラックス』も約6,000万本の売上なのでキャラクターグッズ販売も含むとやはり1兆円以上、ポケモンに至ってはカードゲームやアニメやぬいぐるみなどのグッズ販売もあるのでもはや説明不要。コンシューマーゲームの主戦場は、作るのもプレイするのも大変で、その代わりに物凄いカネが動く世界になっている。

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一方、(100時間ではなく)せいぜい10〜20時間程度の手頃なサイズ感のゲームをプレイしたい人も多いし、そういうゲームを作りたい層もいて、それらは「インディーゲーム」として需要と供給のサイクルが回っている。ちょっとしたアイデア要素を含んだパズルやアクションのゲームだったり、縦横に広がる2Dダンジョンを探索するシューティングゲームやアクションゲームだったり。

本作はこの「2Dダンジョンを探索するシューティングゲーム」って奴である。難易度がそこそこ高く、下手すると1回のプレイは数分で死ぬ。が、何度もプレイするうちに色々な武器やアクションが解放され、敵の行動パターンも掴め、自分のプレイスキルも向上して、これまで太刀打ちできなかった敵やフィールドに対応できて先に進めるようになる。このシンプルな繰り返しが、ハマるのである。これこそがゲームの原体験という奴で、この原体験を生み出すのに必ずしも数十億円の開発費用は要らないということがよくわかる。

面白い。