ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 古橋秀之,別天荒人,堀越耕平
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/09/04
- メディア: Kindle版
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まず画力が超絶で、堀越耕平の絵柄をかなり再現しているうえ、オリジナリティがある。
そして画力以上に設定やストーリーが良い。わたしは本編を読んでいると、迷惑ばかりかけている主人公(デク)や周囲への気遣いゼロなライバル(爆轟)のキャラクター造形に非常にストレスを感じ、ヒーローとは何か、ヒーロー社会とは何かといったことをもやもやと考えてしまう。しかし本作にはそうした矛盾はない。人助けとは資格ではない。資格が必要だから資格を取るという発想ではなく、自分が必要だと思うことを陰ながらやるという偽悪的な設定。こちらの方が本編よりもスッキリ来るのである。
また「無個性」に対しての捉え方もサイコーだ。本編の主人公は、無個性であることでイジイジして没個性と化してしまい、しかしヒーローへの憧れをたまたまオールマイトに認められ、裏ワザ級の個性を譲渡してもらうのだ。一方、スピンオフである本作の主人公は、非常にしょぼい個性なのだが、その個性を使ってやれることをやろうとしている。また本編のオールマイトに相当するスピンオフの主人公の師匠役は、実は無個性だ。無個性だが、とにかく体を頑丈に鍛えて、個性を持った人間と渡り合っている。
正直、ヴィジランテの登場人物たちの方がかっこいいのである。
早くヴィジランテ3巻が出ないかなー。