- 作者: ヤマザキマリ,とり・みき
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ヤマザキマリはどうしてもテルマエ・ロマエの印象が強いけれど、基本的なデッサンが凄くしっかりしているし、シリアスもコメディも描けるのは凄い。またとり・みきも、あそこまでデフォルメした絵をかけるのは「アレしか描けない」のではなく「基本的な画力が高い」のではないかと何となく思っていたのだが、まあこの作品を見る次第、凄く巧いよね。
なお、時代考証もわりにしっかりしているようなのだが、プリニウスの生涯についてはわかっていない点も多く、そこは戦略的に、自由に想像を膨らませて描いているようだ。漫画というジャンルの強みのひとつは、現実と虚構を同じテイストで目の前に呈示できることだとわたしは思っているのだが(特撮とか昔のハリウッドCGとか見ると、あーここは現実じゃないのねと一瞬でわかる)、そのメリットが十二分に生かされた構成となっている。