吉田秋生『海街diary』全9巻

『BANANA FISH』などで知られる吉田秋生の最新作にして最高傑作。

一言で書けば「三姉妹+腹違いの妹の四姉妹を中心とした鎌倉を舞台とした群像劇」ということになるだろうか。

三姉妹の父親は幼い頃に離婚して、母親は別の男と再婚して家を出たため、三姉妹は(大叔母の助けを借りながらも)良くも悪くも助け合って自立して暮らさざるを得なかった。そして3人が大人になって働き始めたある日、父親の訃報が届く。そして色々あって、父親の再々婚の女性が産んだ腹違いの妹を引き取ることになり、鎌倉で四姉妹の暮らしが始まる……といったプロローグ。

全9巻なのだが、各巻に副題のようなものがついていて、それがまた味わい深い。

『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』
『海街diary 2 真昼の月』
『海街diary 3 陽のあたる坂道』
『海街diary 4 帰れない ふたり』
『海街diary 5 群青』
『海街diary 6 四月になれば彼女は』
『海街diary 7 あの日の青空』
『海街diary 8 恋と巡礼』
『海街diary 9 行ってくる』

非常に密度の濃い9巻なので、読者としては大満足なのだが、やはり作品世界をもっと見ていたいという思いもある。

続編、描かないかな。