映画大好きフランちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES
- 作者: 杉谷庄吾【人間プラモ】
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/08/26
- メディア: Kindle版
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前作『ポンポさん』は主に映画監督やプロデューサーにスポットライトが当たっていたわけだが、この『フランちゃん』はタイトルどおり、フランちゃんという女優志望のウェイトレスが主人公である(実質的には主人公は本作もポンポさんなのかもしれないが)。
女優志望なんだけど「貧乏だから」「経験がないから」「能力がないから」「チャンスがないから」と、色々と自分を慰めちゃうフランちゃん。
わかる。
わかるけど、この世の中、それを乗り越えて自分で自分にプレッシャーをかけ続けるしか、傑出することはできないんじゃないかと思う。上司や会社など、外部要因のせいにして愚痴をこぼすような余地はここにはない。
あ、誤解されると嫌なので予め補足しておくが、わたしは外部環境のせいにして愚痴をこぼすことも、待遇が釣り合わないと愚痴をこぼすことも、凡庸であろうとすることも、何の否定もしない。全部その人の自由だ。わたしだってやる。しかし凡庸であることを自分自身で良しとしておきながら、凡庸な待遇に文句を言うのは、わたしは違うと思う。例えば、わたしはホリエモンもZOZOの前澤も好きな人間ではないが、社会にイノベーションを残した偉大な人間だと思う。彼らは他人から色々と言われているが、死に物狂いで傑出したアウトプットを残した結果、傑出したリターンを得た。それで何の問題もないではないか。ケチをつけるのは嫉妬・僻みの類であろう。
繰り返すが、インプットもアウトプットもスループットも凡庸で、リターンだけ傑出するなどという都合の良い世界線は、わたしは基本的に存在しないと思う。コネやラッキーも含めて自分の実力であるわけだし、仮に短期的に「都合の良い世界線」に移動できたとしても、数年で落ち着くべきところに落ち着くだろう。このフランちゃんだってそうだ。大変かもしれないし、愚痴を言いたくなることもある。理不尽なこともある。しかし、仮にそうだとしても結局は自分が傑出するしか成功に至る道筋は存在しないのである。
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