久米田康治『かってに改蔵』全26巻、久米田康治『さよなら絶望先生』全30巻

『行け!!南国アイスホッケー部』を描いていた漫画家による時事ネタ&下ネタギャグ漫画……という記載が妥当かどうか。一般的には『かってに改蔵』と『さよなら絶望先生』が代表作なのだから。『行け!!南国アイスホッケー部』は久米田康治のデビュー作なのだが、絵柄が安定しておらず、かつ下ネタ一辺倒だったので、久米田康治のことは長年チェックしていなかった。しかし(良い意味で)まさかこんな風になるとは……とチェックしていなかった自分を恥じるばかりだ。

わたしはそもそも下ネタは嫌いではないが、『行け!!南国アイスホッケー部』で見限ったのは、肝心の下ネタが滑っていたのと、絵柄も安定していなかったからである。ま、要するにデビュー作だ。若書きだったのだろう。

『かってに改蔵』と『さよなら絶望先生』を読むと、さらに驚くのが、『かってに改蔵』初期と『さよなら絶望先生』後期を比べると、もうとんでもないぐらい画力が成長していることだ。しかもオシャレな感じに。このシャレオツな絵柄で、えっぐい下ネタ・時事ネタをぶちかますのは唯一無二だ。