三井物産+青山邦彦『総合商社図鑑 未来をつくる仕事がここにある』

総合商社図鑑

総合商社図鑑

「総合商社の仕事を絵本で紹介する」という野心的な本。仕事場に置いてあったため休憩時間に思わず読んでしまったのだが、試みは面白いと思う。
ただし、そもそも総合商社とはどのような機能を持っているのかというメタ的な視点はやや欠けており、最近の総合商社が力を入れているビジネスが徒然に紹介されている印象。また「事業リスク」という言葉がサラッと出て来るなど、小中学生に本書の内容を深く理解しろというのは酷な話であり、誰に向けての本か正直よくわからない。大人向け? まあ内容自体は非常に充実しており、実は大人向けとしても得難い本だと思うけれど、大人向けならわざわざ絵本にする必要はあったかのだろうか。実際のところ、一番の読者は総合商社を志望する大学生になるかもしれない。