米澤穂信『犬はどこだ』

犬はどこだ

犬はどこだ

主人公は、東京で酷い皮膚病に苦しめられたが、仕事を辞めて故郷に戻ると嘘のように皮膚病が治った元サラリーマンである。また東京に出て皮膚病に苦しめられるのは懲り懲りということで、社会復帰のリハビリを兼ねて、とりあえず犬探し専門の探偵事務所を故郷で立ち上げることに。しかし最初の依頼は人探し(行方不明の女性の捜索)で、2つめの依頼は犬探しから更に遠い古文書の解読である。仕事をしないわけにも行かないから、主人公は人探しをすることにして、古文書の解読は探偵志望の後輩に任せる……こんな感じのプロローグである。

人探しの依頼と古文書解読の依頼は、当然どこかで繋がるだろう、と本読みなら当然考えるだろう。わたしも「繋がるだろうね」と考えながら読んでいたのだが、そう来たかーという感じで、なかなか楽しませてもらった。