白井カイウ『約束のネバーランド』6〜7巻

約束のネバーランド 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

約束のネバーランド 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

約束のネバーランド 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

約束のネバーランド 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

なんだろう。

一言で書くと「出落ち感」が漂ってしまっている。

1巻や2巻では凄くわくわくしたのだが、結局、普通のファンタジーになったような気がする。「食べられるために育てられる」という異様な環境下での脱出ゲームというか、その構造にハマったわたしのような人間は、あまりに簡単に脱出しちゃったので違和感があるんだろうね。

続きどうするかな。

四葉真『グランクレスト戦記』1〜2巻

グランクレスト戦記 1 (ヤングアニマルコミックス)

グランクレスト戦記 1 (ヤングアニマルコミックス)

グランクレスト戦記 2 (ヤングアニマルコミックス)

グランクレスト戦記 2 (ヤングアニマルコミックス)

水野良のファンタジー作品のコミカライズ。

絵も整っているし、まあまあ面白い。

荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険Part8:ジョジョリオン』16〜17巻

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

アイデアは面白いんだが、やはり展開が遅いよなあ。

ジョジョは第1部から第4部ぐらいまでは問題なかったのだが、第5部からは戦いをマニアックに描き過ぎるあまり作品の長大化・冗長化を招いている。

もう少し何とかならんものか。

石田スイ『東京喰種トーキョーグール:re』13〜14巻

東京喰種トーキョーグール:re 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

テンションが高すぎて、最近、何があっても驚かなくなってきた。

これまでカケラも出てこなかったキャラクターが「強キャラ」として過去のキャラクターを一蹴する。

大事なキャラクターや読者(というかわたし)にとって思い入れのあるキャラクターが1コマで死に、死んだ人間がいつの間にか生き返る。

「死体が見つかっていない」などの明らかな伏線(というか前フリ)も頻発している。

その辺ぐっちゃぐちゃで、もう生が何か死が何かみたいなのはよくわからなくなってきた。

それが作者の狙いなのかな。

この美しい世界がどう決着するのか、もはやそれだけが気がかり。個人的には、もう少しテンションや展開ペースを落として、じっくり描いても良いように思うけど……と思っていたのが、14巻の途中ぐらいまでのわたしの感情。で、それが180度なのか360度なのか720度なのかもよくわからんが、とにかく色々あって結局、主人公の金木研を救いたいという気持ちから、人間と喰種が協力するようになる。意外な切り口で大団円に向かいそう。

15巻で完結かな?

ツジトモ『GIANT KILLING』45〜46巻

GIANT KILLING(45) (モーニングコミックス)

GIANT KILLING(45) (モーニングコミックス)

GIANT KILLING(46) (モーニングコミックス)

GIANT KILLING(46) (モーニングコミックス)

弱小チームが「かつてのヒーローを監督に据えること」でいきなり大活躍する漫画。

面白い。しっかりと面白い。しかし本来これはあってはならないことである。プロは、そんなに都合良く未熟な敵チームばかりではないと信じたい。

できれば、さすがに1年で優勝とかしてほしくないんだけど、この感じだと、しちゃうだろうなー。まだ1年経ってないのにもう46巻だしね。これ2年コースということになれば120巻は行っちゃうんじゃないか。

松本救助『あの娘を落とす間取り』

このマンガがすごい! comics あの娘を落とす間取り (このマンガがすごい!comics)

このマンガがすごい! comics あの娘を落とす間取り (このマンガがすごい!comics)

文字通り、ヤレる部屋とは何かを解説した本。

序盤は「トイレの音が聞こえないようにしないと女の子が帰っちゃうよー」というレベルなのだが、中盤以降は導線やゾーニングを意識して、いかに帰りづらい雰囲気にするかを真面目に解説している。そんなこと考えたこともなかったな。ゾーニングという考え方は、ヤレるヤレないを別にして、取り入れたいと思った。確かに、わたしの部屋はテキトーにものを家具を配置しているだけだった。

Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』9巻

絢爛たるグランドセーヌ 9 (チャンピオンREDコミックス)

絢爛たるグランドセーヌ 9 (チャンピオンREDコミックス)

クラシックバレエをモチーフとした漫画。

相変わらず丁寧に描かれていて、才能・努力・家計のバランス、それから成功と挫折のバランスもなかなか鋭いところを突いている。

面白い。

小坂泰之『放課後ていぼう日誌』1巻

放課後ていぼう日誌 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

放課後ていぼう日誌 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)

「ていぼう部」という、要は釣り部に入ってしまった女子高生の日常劇といった感じ。

マイナーな部に入った(あるいはマイナーな競技や趣味にハマった)少年少女の青春モノというか日常モノというのは、それが本気トーンであれ、ゆるふわトーンであれ、フォーマットとしてはもう出来上がっていると思う。あとは味付け次第である。

浅野いにお『零落』

零落 (ビッグコミックススペシャル)

零落 (ビッグコミックススペシャル)

一言で書くと、つまらない。

まあ作者も大変なんだろうなと思う。サブカルの帝王と持ち上げられ(あるいは揶揄され)、何を描いても結局『ソラニン』と比較される。本書もAmazonの作品紹介における編集担当のコメントがいきなり「『ソラニン』から12年」だからね。でもこれはただただ面白くない。漫画家の業? 極限? 次なる覚醒? ここにそんなものはない。

浅野いにお『ソラニン 新装版』

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

ソラニン 新装版 (ビッグコミックススペシャル)

ソラニンという作品はわたしにとって特別な作品だ。いや、わたしだけでなく、多くの同世代もしくはそれより少し下の人間にとって(つまり70年代後半から80年代前半に生まれた人間にとって)バイブルだったんじゃないだろうか。まるでミニシアター系の映画のような手触り感とお洒落感。適度にひねたキャラクターに決してハッピーではない筋書き。しかしバッドエンドというほど救いがたいものでもなく。青臭いものを真正面から書くのは格好悪いけれど敢えて書くのは360度回って格好良いよねという。要はサブカル感ということなのだが。

誤解してほしくないのは、わたしは本作を否定しているわけではない。むしろ愛してきたし、愛している。以前も旧版の感想を書いている。
incubator.hatenablog.com

わたしは、作者はこう捉えたのではないか……と敢えて皮肉に書いてみたのだ。作者は今も、ソラニンの呪縛に囚われ、ソラニンと同じようなものを作らないように、しかし結局720度や1080度回転した「サブカル臭の強い」作品を描いているようにわたしは思う。しかしその試みは端的に失敗している。『おやすみプンプン』のあのキャラクター造形は結局のところ何年もかけてつまらない漫才を強制的に見させられているようなものだし、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』のドラえもんのパロディーも意味不明だし、主人公が意味不明によだれを垂らしたりしている描写も、はっきり言って哀れだ。青春や現実をストレートに書きたくないだけとしか思えない。

わたしは、今回新装版を出すことで、作者が真の意味でソラニンの呪縛から解き放たれれば良いなと思う。

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』5巻

猫のお寺の知恩さん(5) (ビッグコミックス)

猫のお寺の知恩さん(5) (ビッグコミックス)

親元から離れたい一心で、10年間会っていない親戚の家に居候して高校に通うことになった主人公。その居候先は古いお寺で、天然系の可愛い年上のお姉さんがいて、婆さんと猫たちがいて……という設定の青春漫画。正直まだどう転ぶのかよくわからんっつーか、もしかしたら「この感じ」でまったり進んでいくのかもしれないし、年上のお姉さんと同級生の女子と主人公とで、恋の三角関係みたいな感じになったりするのかもしれないし、うーん。楽しみなんだけど、予想はつかない。

西義之『ライカンスロープ冒険保険』2巻

ライカンスロープ冒険保険 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ライカンスロープ冒険保険 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

冒険者向けの保険という、ありそうでなかったネタ。

このネタ1本で行くのかなーと思っていたが、実は主人公は、昔々は名のある勇者と一緒に冒険していた魔術師で……という感じでバックグラウンドが広がってきた。このあとどう物語を展開していくのかなー? 気になる。

雨がっぱ少女群『麻衣の虫ぐらし』1巻

麻衣の虫ぐらし(1) (バンブーコミックス)

麻衣の虫ぐらし(1) (バンブーコミックス)

いわゆるロリコン向けの成人漫画を描いていた方なのだが、一般紙に移ってきたのかな?

ほのぼの漫画とも農業漫画とも一言でくくれない、独特の雰囲気。1巻の終わりはなかなかに衝撃的で、続きが気になるなあ。

山田胡瓜『AIの遺電子』8巻

AIの遺電子 8 (少年チャンピオン・コミックス)

AIの遺電子 8 (少年チャンピオン・コミックス)

ヒューマノイドが実用化され人間と同じように生きる近未来における、人工知能の専門医を主人公としたSF医療オムニバス物語。

本作においては、人間、人間と同じような心と権利を有して生きているヒューマノイド、人間やヒューマノイドに仕えるロボット、ヒューマノイドやロボットを生み出した超高度AI、という4つの知的存在がいる、という前提で、一話完結式の物語が大量生産されてい……たのだが、これにて完結。週刊連載でSFの1話完結をするのは無理があるというか勿体ないと思っていたのだが、最後まで(ほぼ)1話完結で突っ走った。心からリスペクトしたい。

今度は月刊誌に移籍して、『AIの遺電子 RED QUEEN』という長編を書いているらしい。わたしは1話完結での週刊連載という挑戦に深く敬意を払う者だが、品質という意味では、絶対RED QUEENはさらに上がると思う。大傑作になるんじゃないか? 1巻が出るのが早くも待ちきれん……!

余談

厳密には余談というわけでもないかな。『AIの遺電子 RED QUEEN』の第1話が秋田書店のWebで無料公開されているので、リンクを貼っておく。1話完結の頃とはまた作風を変えてきたな。ストーリーや世界観が複雑だ。

arc.akitashoten.co.jp

佐竹幸典『魔女と野獣』1〜2巻

魔女と野獣(1) (ヤングマガジンコミックス)

魔女と野獣(1) (ヤングマガジンコミックス)

魔女と野獣(2) (ヤングマガジンコミックス)

魔女と野獣(2) (ヤングマガジンコミックス)

ベルセルクを彷彿とさせる復讐譚で、けっこうグロいところもベルセルクを彷彿とさせる。そこそこ面白いと思う。