片山恭一『DNAに負けない心』

退屈な場所も多かったけれど、ところどころ「おっ」と思わせる個所がある。タイトルは『DNAに負けない心』なんだけど、内容は理科系とは無関係。「自分の頭でとことん考えたいあなたへ」という副題が示すように、教育や科学や貨幣などについて、ジックリあるいはダラダラと物事を考え続けて、それを書き殴ってます。
とはいえ、文体も内容もそれほど難解ではない。特に文体はかなり柔らかい。頻繁に「〜みたいな?」と茶化している。オマエは海砂利水魚か。いや、それとも女子高生みたいな言葉を意識したのかな。まあどっちでも良くて、とりあえず読みやすい本です、みたいな? ということで、「自分の頭でとことん考えたいあなたへ」などと書いてはいるけれど、読む側はあまり構える必要のない本ではある。