マルコム・グラッドウェル『ティッピング・ポイント』

本書では流行を「感染」と捉えるのだが、その感染はジワジワと起こってくるものではなく、ある地点を境に爆発的に感染するものだと考えている。臨界点を過ぎると何かが一気に“傾く”のだが、その劇的瞬間を本書では「ティッピング・ポイント」と呼んでいる。そしてティッピングポイントの発生には幾つかの条件――言い換えれば、幾つかの事例に共通する3つの原則がある、と本書は述べる。つまり、その3原則を明らかにし、ティッピング・ポイントを発生させるためにやらなければならないことを述べたのが本書なのである。

詳しくは本書を読んでもらいたいのだが、ティッピングポイントを発生させるためには、みんなを引きつける必要などないそうだ。幾つかの「少数者」を動かすこと、これがティッピングポイントを作るための必須条件の1つである。かなり色々な読み方ができる本だと思うので、興味があればぜひ読んでみてほしい。